言語コミュニケーションを代理で行うロボットDA-02

生涯未婚率が上昇している大きな理由の1つは,「出会いの減少」である.これは結婚を希望していてもパートナが見つからない人々が増加していることを示している.そのため,出会いを提供する婚活市場はオンライン/オフラインとも拡大傾向にある.オンライン・サービスでは,多くの候補者の中から自分の好みの相手を探せるメリットがあり,オフライン・サービス(婚活パーティ)では,候補者と実際に対面し会話ができるメリットがある.婚活パーティでは,イベント中に対面することにより互いの人柄を知ることができ,カップリングが成立すれば次に会うための心理的障壁も緩和される.しかし,初対面の相手といきなり会話し,自己アピールしながら好感度を上げることは大変困難である.しかも1人の相手と話せる時間は数分~10分程度と限られている.このため,特に会話が苦手な人々にとって,望ましい成果を得ることは容易ではなく,「何をどう話せばいいのだろうか?」という不安を抱くことが多い.
そこで我々は言語的なコミュニケーションを必要としない婚活パーティの実現を目指し,パーティ中の言語的コミュニケーションを完全に代理で行うDating Agent “DA-02”を開発した.

システム概要

本システムは,婚活パーティで初対面の人と会話を行うことに対する心理的障壁の軽減を支援する.ユーザは事前に“出身地”や“趣味”,“好きな食べ物”などをプロフィールシートに記入する.これをベースに事前に作成したスクリプトにのせ,DA-02同士の会話シナリオを生成する.婚活パーティでは言語的コミュニケーションを禁止し,会話は全てDA-02が行う(.DA-02が会話を行うことで好きなドラマが同じだということがわかっても,その場では好きな人物や話などの詳細を直接話すことは許されない.直接に会話するためにはカップリングする必要があり,カップリング成立のモチベーションになることが期待される.また,「テニスの大会で優勝した」,「会社でMVPを受賞した」などの功績を話すことで,その人の長所を理解することができる.しかも,このような初対面で自身の口から話すと自慢話に捉えられる危険がある話題でも,DA-02 から説明されることで「システムが本人の意思とは関係なく話した」という責任転嫁的な状況を構成でき,人間だけでは難しいコミュニケーションが容易になることも期待できる.